【2024】台湾の平均賃金ってどのくらい?近年の推移や業界・年代別の傾向を紹介

INDUSTRYJune 12, 2024 14:48

日本と身近な距離にある台湾。台湾は親日国で有名であり、近年ではメディアなどで旅行先として多く取り上げられるようになりました。日本よりも物価が安いといわれている台湾ですが、平均賃金はどのくらいなのか気になる方は多いのではないでしょうか?

今回は台湾の平均賃金、ここ数年の推移や職種ごとの傾向などをご紹介したいと思います。

※2024年6月調べ 1元(4.8円)で計算しております。

1.台湾の平均年収は69.4万元(約333.1万円)【2023年】

台湾の求人サイト大手の「104人力銀行」が発表した内容によると、2023年の台湾の平均年収は日本円でおよそ333万円という報告が出されました。前年比から2.5%上昇し、過去8年で最高額だということです。

日本の最新の平均年収はおよそ445万円なので、100万円以上差がありますが、台湾は社会保険や税金が日本と比べて安いので、生活するうえでは物価面なども考慮してさほど変わりはないかと思います。

台湾の賃金は上昇傾向

台湾経済は近年好調で、それに伴い賃金の方も年々上昇傾向にあります。ここ20年の推移を見てみると、2003年の平均年収は43.5万元(約208.8万)、2013年の平均年収は55.7万元(約267.4万)、2023年の平均年収は69.4万元(約333.1万)と20年間で100万円以上も上昇しております。(2024年6月時点)

日本は30年間横ばいが続いているので、年々賃金差は少なくなってきております。

日本と台湾における同職種の年収比較

ここで日本と台湾で同じ職種での年収の比較をしてみたいと思います。

技術職は高め 台湾といえば半導体などの技術職が有名ですが、その平均賃金は月収8万円(約38.4万円)ほどです。日本の半導体企業ソニーや日立などの平均賃金が月収約39万円なので、台湾の半導体産業の好調さが伺えます。

サービス業の宿泊、飲食業は低め 逆に飲食業や宿泊業の賃金は月給2.8万元(約13.5万円)と安い傾向にあります。日本の飲食業の平均賃金は厚生労働省のデータによると月収21万円ほどなので、その安さが見て取れます。

日本円で比較する場合は為替市場などによって違ってくる

為替市場の影響で日本円での比較は変動するので、正確な比較は難しいものがあります。現在は円安傾向にあるため、日本と台湾の年収差が縮まって見えるのもそのためです。しかしながら台湾の賃金は年々上昇しており経済発展が著しいのが現状です。

2. 台湾の業界別による平均賃金とは

台湾でも日本と同様に、職種によって賃金の格差があります。先ほどの章で述べた平均年収額は全体の平均額となっており、職種によって大きくバラツキが生じます。この章では職種別の平均賃金をご紹介したいと思います。

台湾で高収入といわれる業種

台湾で高収入とされる業種は日本と同じように国家資格がある業種や成長産業などになります。医者の平均月収は15万元(約72万円)、パイロットは28万元(約134.4万円)と特に高収入です。

その他にも半導体業界では8万元(約38.4万円)、金融や保険業界では10万元(約48万円)、ガスや電気などの公共事業分野では9.5万元(約45.6万円)と、それぞれの業種で高い給与が得られます。

職業分種別の平均賃金では2〜3倍の差があことも

台湾労働部が発表した2022年7月末時点の調査によると、台湾の工業・サービス業において、職種別の平均給与には2〜3倍の差があることが分かりました。

製造業では管理者・監督者が7万9000元(約37.9万円)、専門職が6万3000元(約30.2万円)ほどに対し、一般技術者・作業員は3万元(約14.4万円)という給与水準でした。

サービス業では、金融・保険業の管理者・監督者が11万4000元(約54.7万円)で最も高く、宿泊・飲食業の一般技術者・作業員が2万8000元(約13.5万円)で最低賃金に近い水準である事が分かりました。台湾ではこうした経済格差の問題も背景にはあります。

3.台湾の年代別平均賃金とは

この章では、最低賃金の推移や男女間の賃金差、年代ごとの賃金の特徴について詳しく解説いたします。最新の統計データを基に、台湾における賃金の動向を見ていきます。

台湾の最低賃金は2024年現在月額2万7,470元(約13.2万円)

台湾の2024年の最低賃金は昨年と比べて約4%上昇しました。台湾労働部によると、蔡英文総統の就任以来、月給は37.3%、時給は52.5%上昇しております。

台湾では毎年最低賃金が引き上げられ、労働者にとっては良いことですが、それに合わせて家賃や生活費も上昇しインフレ傾向にあります。

最低賃金の上昇は経営者には悩みの種となっており、労働者を雇用する際の保険料は企業側が7割を負担しており、毎月の保険代も大きな負担となっています。

台湾の新卒初任給は平均3.5万元(約16.8万円)

2023年の新卒初任者の給与統計によると、大学新卒者の平均月給は3.3万元(約15.8万円)で、前年より3.9%上昇しております。全体の新卒(大学、大学院)平均賃金は3.5万元(約16.8万円)で、前年比2.9%増という結果になりました。

台湾の男女間の賃金格差は日本と比べて小さい

台湾の2023年新卒初任者の平均月給は、男性が3.7万元(約17.8万円)、女性が3.4万元(約16.3万円)となっており、女性の給与は男性の92%に当たり、前年の89.7%から改善しております。

台湾の全年代の男女賃金格差は15.8%で、日本の30.6%、韓国の30.2%、米国の17%と比べて小さいことが分かっております。

年代別では40代〜50代が一番賃金が高い

台湾では日本と同様に20代、30代と賃金が上がっていき、40代〜50代の賃金が最も高く、60代には賃金が下がる傾向にあります。2022年のデータによると、平均賃金が最も高い45歳〜54歳の平均年収は92.3万元(約443万円)という結果でした。

4.まとめ

台湾の賃金は年々上昇しており、日本と比べて男女間の賃金差が小さいという特徴があります。主要産業の半導体業界では日本の賃金に迫るほどの高い給与が支払われ、人材の流れが生じています。

一方、飲食業などの賃金が低い分野では人手不足が起きており、賃金格差が課題になっているのも現状です。

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